肌のうるおいを支える「水溶性基剤」とは？スキンケアに欠かせない成分の役割と特徴を解説
- info920602
- 10月8日
- 読了時間: 3分
スキンケア製品の成分表を見て「水、BG、PG」などといった文字を目にしたことはありませんか？ 実はこれらは「水溶性基剤」と呼ばれる、化粧品において非常に重要な役割を持つ成分群です。 本記事では、水溶性基剤とは何か、その役割、代表的な成分と特徴を分かりやすく解説します。
水溶性基剤とは？
化粧品の主成分の多くは「基剤（ベース）」で構成されています。
水溶性基剤」とは、その名の通り水に溶けやすい性質を持ち、水を主成分とするスキンケア製品（化粧水、美容液、ジェル、洗顔料など）に使われるベース成分のことです。
肌への浸透性・使用感・成分の安定性などにも影響を与える、いわば「処方の土台」となる存在です。
水溶性基剤の主な役割
■ 保湿のサポート
水溶性基剤は、多くの場合「保湿」の役割を担っています。単なる水分ではなく、肌の角層までうるおいを届ける補助をしてくれます。
■ 成分の溶解・安定化
ビタミンや植物エキスなどの有効成分は、水に溶けにくいことがあります。水溶性基剤はそれらを溶かし、製品の安定性を保つ役割を果たします。
■ テクスチャー・使用感の調整
肌に伸ばしたときの“すべり”や“とろみ”など、化粧品の使い心地に大きく関わるのも水溶性基剤の特徴です。
■ 防腐・抗菌の補助作用
一部の水溶性基剤には、抗菌性を持つものもあります。製品の衛生状態を保つ補助的な効果も期待できます。
よく使われる水溶性基剤とその特徴
■ 水
化粧品の最も基本的な溶媒
他の成分を溶かすベースとして不可欠
無刺激で安全性が高い
■ BG（ブチレングリコール）
保湿性が高く、ベタつかずサラッとした使用感
抗菌性もあり、防腐剤の使用量を減らす補助成分にもなる
敏感肌向け製品にも広く使用されている
■ PG（プロピレングリコール）
高い保湿力と溶解力を持つ
医薬品や食品添加物にも使われる成分
製品の安定性を保ちやすい
■ DPG（ジプロピレングリコール）
PGよりも刺激性が少なく、しっとりとした保湿感
肌当たりがなめらかで、高級スキンケア製品でも使用される
香料やエキス類の溶媒としても優秀
■ ペンチレングリコール
保湿力と抗菌力を兼ね備えた注目成分
BGやPGの代替として選ばれることも増えている
軽やかな使用感でさっぱり系処方に多用される
■ グリセリン
高い吸湿性で、水分を肌に引き寄せる作用がある
ベース成分として歴史も長く、植物由来で安心感がある
粘度が高いため、他の基剤と組み合わせて使われる
基剤の組み合わせによって変わる使用感
水溶性基剤は、単体よりも複数を組み合わせて使用されることがほとんどです。
たとえば、グリセリンでしっとり感を、BGで軽さと抗菌性を、DPGでなめらかな使用感を演出する…といったように、それぞれの特性を活かして処方設計されています。
また、季節や肌質に応じて調整されることもあります。
夏：軽やかなテクスチャーで、べたつかない処方
冬：保湿重視で、しっとり感のある処方
敏感肌：刺激性の低い基剤を中心に構成
水溶性基剤は、見た目以上に奥深く、製品の快適さを左右する重要な存在なのです。
水溶性基剤は、スキンケア製品のベースを支える“縁の下の力持ち”です。 肌に触れる最初の成分であるからこそ、安全性や使用感は非常に重要。 最近では、保湿力に加えて抗菌性やテクスチャー調整など、複数の機能を持つ基剤も増えており、成分選びの視点も進化しています。
スキンケア製品を選ぶとき、主成分としての水溶性基剤にも注目してみることで、自分の肌にもっと合ったアイテムに出会えるかもしれません。